久下小学校脇の林にカラスの巣 みてご覧
子どもの頃は家のなかにつばめの巣があるのが当たり前であった。それがいつの頃からかその姿を見なくなって久しい。
しかし、嬉しいことにこの季節になると新聞の投書欄には、今年は何羽巣立ちしたとか、去年のつばめがきてくれたとか、はたまた蛇の撃退法まで紙面をにぎわせてくれる。
ちょうどこの頃に、つばめと同様カラスも巣立ちをする時期らしい。
私はカラスは人里離れた山中の木に巣を作り子育てをするものだと思っていた。
だってそんな情景を表現した歌があるでしょう。
野口雨情作詞、童謡の名曲「七つの子」である。
「からすなぜ鳴(啼く)くの カラスは山に かわいい七つの子があるからよ。」とか、
「山の古巣へ行ってみてごらん」とか。
「七つ」とは未だ解明されない問題もあるらしいがここでは単に歌詞としてだけ引用させてもらった。
だからカラスは山へ帰るのだと信じていた。
それが今、人家の近くで子育てしている様子をみた。
営巣材料も人家から運んでくるということも聞いて久しいがこの巣はそれらは一切なく純木造にみえる。
久下小学校近くの林のカラスの巣の様子
カラスらしき巣を見つけたのは6月3日(金)夕刻のことだ。同僚のT.K氏と二人駐車場まで来た時のこと、頭上でバッサバッサと騒々しい音が聞こえる。
あれは何?とT.K氏の視線の先を追ってみた。
そこには何やら想像もつかない騒々しい音,いや声とともに黒い影も動いている。目を凝らしてみると、大きな巣の縁にぶら下がるようにしているような物体がある。
二人でしばし観察していた。
やがてその黒い形のものは不安定な恰好のままやかましく飛び去った。
私たちは、勝手にあれはたぶんカラスであろうと思い、巣を見上げながらしばらくカラス談義である。
ここは久下小学校駐車場脇の林である。
カラスについて調べたこと
ネットで検索し分かったのは、カラスにはハシボソガラスとハシブトカラスの種があるらしい。同じカラスでも、ハシブトガラスはきれいな濁りのない発音で「カー」と鳴くが、ハシボソカラスは「ガーガー」と鳴くのが特徴らしい。
意外と簡単に聞き分けができるらしいと書いてあった。
今回のカラスは鳴き声からしてどうもハシボソカラスであると思われる。
歩き方にも違いがあるらしい。ハシブトカラスはピョンピョン飛び跳ねるように歩くが、ハシボソカラスは、交互に足を出して二足歩行をするらしい。
カラスについてのよもやま話あれこれ
翌日からこのカラスの巣を観察するのが日課となった。
何日か経ったころ、私は幼鳥が巣で伸びをするのを目撃した。ドローンがあったらなあ。なんて本気で思いながらみていたが、ヒナはどうやら二羽いるらしいことも分かって来た。
首をまっぐに上に伸ばし伸びをする影がはっきりと見えたのである。
お世辞にもかわいいとは言えない声で鳴くこのカラスのヒナたち。
まもなく巣立ちの日も近いのであろう。
7月8日、カラスの記事アップすると伝えたときのT.K氏の話である。
知人が通勤途中子育て中のカラスを観察し、何度か目と目が合ったらしい。
やがてそのカラスがそこを通る度に威嚇攻撃して来たという。
他の人には目もくれず、確実に自分に目標を定めてくることが分かり恐くなった知人は道を変えたとか。
カラスは物覚えよく賢いというのはどうも本当らしい。
人の識別までできるとはさすがである。イソップ寓話にもあるではないか。「カラスと水差し」が有名か。知恵と努力で生きて行く大切さを私たちに教えている。
ちなみに私たち二人は親らしいカラスをみたのは初日の一回だけである。きっと覚える間もなかったのであろう。
カラスの巣を見つけても親がいるときは知らんふりをしたほうがいいようだ。
ぴんこすずめ