ろうばいのかわいさ
2年前の秋も深まった頃である。一子さんから蝋梅の種子を貰って蒔いてみた。
発芽するかな。期待が膨らむ。
3週間も過ぎたころかなんと発芽した。
可愛いものである。毎日毎日飽きず観察する。
寒さに強いとの情報を得たので冬季も外に置いたままにしたのはしかし今思うと間違いであった。いくら寒さに強いとは言え程度ものである。
屋内に入れるべきであった。幸い寒さに雪に耐えて生きてくれたがやっと生きていると感じであった。
そんなこんなで冬が過ぎ2回目の春が来た頃それでも少し大きくなった。
これなら期待は持てる。
ちょうどそんな折、友達の栄子さんから
「家の庭にひとり生えした蝋梅の幼苗木があるさかいあっこさん植えてみるかいな。」
と尋ねてくれたのである。
喜んで栄子さんの家に伺うと、私のと違い幼児の背丈ほどに成長した木を栄子さんが3本掘り起こしてくれた。
1本は近所の友人の涼子さんに。そしてもう1本は職場の友人にそして最後の1本は私に。
私の1本と涼子さんの1本は御覧の通り元気に育っている。職場の友人のは残念ながら枯れてしまったと聞いた。
ちょうどそのころのことである。同じ育てるなら少し専門的な勉強しておこうと図書館で本を借りた。
蝋梅という木は移植に弱い種であること。移植では育たないことが多いと書かれていた。そんな知識は毛頭あるわけもなくびっくり仰天。だから素人は恐い。
先記の通り残念ながら3本の内1本は枯れてしまったが2本は育っている。誠に奇跡だと感じている。
涼子さんの家の木は地植えで鉢植えの私の木より成長が早い。ずいぶんと大きい。今後また報告できると思う。
近い将来、早ければ来春にも、一輪でもいい透きとおるような黄色い花をつけてくれはしないかとわずかな望みを持っている。
ぴんこすずめ